Ukraine 4 : キエフ街歩き。国立チェルノブイリ博物館で原発について考えた日。

ペチェールシク大修道院からの戦車萌え

朝起きると相変わらずの霧。
ヨーロッパに戻って以降、霧ばかり・・・。太陽と青空が恋しい。

うす曇りのような天気の中、メトロに乗ってArsenalna駅で降り、のんびり歩く。

永久の栄光公園にある無名戦士の記念碑をちょっと見ながらブラブラ。

旧ソビエトの国はどこも公園と記念碑と銅像。
銅像を愛でるのも旧ソビエトの楽しみだと思う。w

 

目的地の「ペチェールシク大修道院」に到着。
入場料は30UHA(120円)、世界遺産なのにこの値段・・・安くてありがたいけれど、もうちょっと値上げしてもいいんじゃない?

修道院は・・・広大。

中は金でキラッキラ。ピッカピカ。
建物はメルヘン。w

  

キエフがドイツ軍の支配下にあった1941年、ソ連のKGBのスパイがこの大聖堂を爆破したが、戦後ソ連のプロパガンダによってナチスによる蛮行と歪曲され隠ぺいされたとのこと。
現在の大聖堂はソビエト崩壊後、ウクライナ政府の支援によって建てられたもの。

 

さらに歩いて「Motherland monument」の方へ向かったのだけれど、意外に遠くて断念。

途中にあった「局地紛争博物館」前には戦車や戦闘機がズラッと並んでいて・・・これが面白かった。

ヤバい・・・戦車萌える・・・。
楽しすぎる。w

 

あまり時間も無いので後ろ髪を引かれる思いで次へ。

ウクライナ国立チェルノブイリ博物館

本日のメイン、チェルノブイリ博物館に到着。

入館料は70UAH、オーディオガイドは100UHA(うち50UAHはデポジット)。
オーディオガイドは日本語もある。

内容が充実してるしこのオーディオガイドがあってこそなので、ケチらず是非借りて欲しい。
でもこのオーディオガイド・・・
後日タナカ氏とLINEをした際にタナカ氏が
「あれ、笑いませんでした???」

そう、時々笑っちゃうんだよね。
いやいや、面白い内容なわけではなく、展示もガイドも心が重くなるものなのだけれど、「撮り直ししようよ」とツッコミを入れたくなるくらい言い間違ってたりつっかかってたり。w
展示が展示だけに笑っちゃいけないと思いながら笑いそうになり・・・抑えるのが大変だった。

 

博物館に入ってすぐ、カウンター手前に福島原発に関しての展示があった。
福島の事故は、チェルノブイリと同じくレベル7。
ほんの少しの展示だけれど気持ちは重たくなり暗くなった・・・・。

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メインの展示スペースを見て回る。
消防士や原発スタッフ、リクビダートルと呼ばれる処理作業員の遺品を見ながらガイドを聞く。

なんだろう。
哀しい?辛い?怖い?苦しい?
うまく言えない感情が込み上げる。

その言いようのない怖さは、子供の頃見たJCOのニュースを私に思い出させた。
作業員がアルミホイルのようなシートに包まれ移送されてるニュースは子供ながらに衝撃で、ただただ怖かった。
その恐怖の種類は今まで感じたことのない怖さだった。

 

各国の支援や関わりとの展示で、キューバからの支援やウクライナの子供たちがキューバへ行った話があった。
キューバからウクライナへ来た私。
旅のルートは繋がってた。

もちろん日本の展示もある。
日本は、世界で唯一、たった1か国だけ、原子力爆弾を経験している国。
原子力爆弾を2個も落とされた国。
放射能を浴び、病気で苦しんでる人がいる国。
そしてそこから復興した国。
そんな日本がチェルノブイリを手伝えることはいっぱいある。
いっぱいあった。

だけれど・・・・
そんな日本もチェルノブイリと同レベルの原発事故を起こした。

 

日本は・・・原発事故なんか起こしちゃいけなかったんだ。
もっともっと、原発に対して危機意識をもって、関心を持ってなきゃいけなかったんだ。
それに、世界中で唯一の被爆国ということを、もっとアピールしていいんだよ。

原発事故を起こした東電が悪い?
当時の民主党政権が悪い?

それは違う。

原発を日本に売り込み、作らせて儲けたのはアメリカ。
日本に原発を落とした張本人のアメリカ。
そしてアメリカの原発を受け入れたくて作らせたくて、原発を作りたいから原発は安全でクリーンで安いとアピールして民意を抑えて・・・原発を作ったのは自民党。
危機意識を持たず、ずっと声をあげてこなかったのは私たち日本国民。

アメリカが日本を叩くのは違う気がするし、自民党が民主党を叩くのは違う。
やっぱり「民主党じゃダメだ」って、一瞬でまた自民に戻っちゃった、戻しちゃった日本国民も違う気がする。
(私は民主党支持者なわけではない。)
声をあげてこなかった日本人が東電や政府を全面的に一方的に批判するのもなんか・・・ちょっと・・・違う気がするのは私だけだろうか。

また日本は、日本人は、ソビエトが事故を隠そうとしたことや過少申告しようとしたこと、責任を作業員に押し付けようとしたことを責められるだろうか。
ソビエトのことを笑えるのだろうか。

 

世の中に「絶対」はなく原発が絶対に安全だなんて言えない。
メンテナンス、保守その他もろもろを考えたら、原発が安いとも思えない。
核廃棄物を処理することだって出来ない。
そう考えたら、原発を使わない方向へ動いていく必要がある。
太陽光、風力、潮力、地熱、バイオマス・・・次の発電所の研究を進める一方で私たち個人も、電力を使わない努力はしなきゃいけないな・・・と思う。
個人が省エネに努める、企業が省エネの製品を開発するだけでなく、世の中全体もう少し「ワガママ」にすら思えるくらいの極度の「便利さ」を諦める必要もあるんじゃないだろうか。

 

ちなみに私は、今現在は原子力発電所に反対はしない。
だって毎日電気使いたいから。
スマホもPCも使いたいし、寒い日や歩い日はエアコンを使いたいし、ろうそくの明かりで暮らすのは嫌だから。
それでも、使用電力を減らすことは考えたいし、エネルギーに対して関心は持っていたいと思う。

坂の街、キエフ。教会巡りとプサタハタ

キエフの街は、地図では分かりにくいけれど実は坂だらけ。

次に向かった聖ミハイル修道院は、チェルノブイリ博物館側からは坂の上にあり、「えぇ・・・・歩いて登るの嫌だなぁ・・・」と思いながら歩くと、坂を上る鉄道を見つけた。

まるで箱根の登山鉄道!!

 

 

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聖ムィハイール黄金ドーム修道院(入場料20UAH)は、水色の建物に名前の通りの黄金のドーム。

 

「ウクライナにいるんだ!」と実感させてくれるビジュアル。
こちらはキエフ総主教庁ウクライナ正教会の修道院どのことだけれど・・・学が無い私には。苦笑

 

お次は聖アンドリーイ教会へ。

こちらはウクライナ独立正教会に属する教会。
2018年10月現在教会は修繕中の為、中には入れないのだけれど・・・
ココから見える景色はなかなか。のはず。

だってこの日のキエフは濃霧・・・

 

 

さらに広場の像を眺めつつ・・・

聖ソフィア大聖堂へ。入場料20UAH。

こちらもペチェールシク大修道院と共に世界遺産登録されている。
1017年?1037年にヤロスラウ大公によって建立された大聖堂は略奪や被害を受けながら現在に至っているそう。
またこの大聖堂は東欧諸国にとっては重要な場所でありながら特定の宗派が管理しない“博物館”であり、違う宗派が日時をずらして使用することになってるとのこと。

 

もう日が暮れかけ暗くなり始めた街を歩いて黄金の門。

1037年に建てられた黄金の門だけれど、1240年にモンゴル帝国に破壊されてしまい、現在の門は1982年に復元されたものだそう。

 

 

オペラ座を横目に眺めながら歩き・・・

 

聖ウラジーミル大聖堂(聖ヴォロディームィル大聖堂)へ。

黄色の外壁に青い屋根の大聖堂だけれど、もう辺りは暗く、色がわからない・・・

教会巡りはこれで終わり!

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そのまま歩いて駅前のプサタハタで夕食。

ウクライナを旅する人達の間で有名なこのプサタハタは、ロシアのストロバーと同じシステム。
列に並んで、実際に料理を眺めながら指させばOKなのでハードルが低くありがたい。
安いはずのウクライナだけれど、ボルシチとキエフ風カツレツとパンとビールを取ってお会計へ行くと、100UAH超えというあまり安くないお値段になってしまった。w

ボルシチはどこで食べても美味しい!大好き!!

日本にももっとロシア料理、ウクライナ料理などのお店が増えればいいのに・・・と思う。

 

ちなみに今回私はオペラを見に行かなかったけれど(ウィーンでオペラ見たし)、ウクライナでオペラ、安くてオススメです。
時間がある方は是非!

 

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