旅人になったきっかけとか。

旅のきっかけ

はじめて海外に行ったのは、二十歳の時だった。
行先はタイ。
どうってことのない旅だったけど、うまく言えない何かが私の全身全霊全てを刺激した。

私を包み込む音、空気、肌にまとわりつく湿気、におい、色、景色・・・・そういうもの。
全て日本とは違うそれらのものが、私を包み込んでいる。私は、私という物体は、日本じゃない、普段とは違うどこか異質な空間にいる。気を抜いたら、私はその異質な空間に取り込まれてしまいそうにさえ思えた。まるでブラックホールに飲み込まれるかのように。
一方で、私はそこには属さない異質な存在で、誰も私のことなんて知らなくて、気にも留めていなくて。

そういう感覚が、新鮮でエキサイティングで・・・・圧倒された。
私はもっともっとそういう感覚の場に身を置いてみたいと思った。日本では見られないものを、もっともっと見てみたいと思った。

それから。
バイトをし、節約をし、とにかく旅費を貯めて休みになると旅に出た。
大学生の私には潤沢な資金なんてなかったから、(悲しいかな、残念ながらこの歳になった今も潤沢な資金はないけれど。w)貧乏旅行をするしかなかった。
今でも愛用しているkarrimorのバックパックを背負って。

中学生のころ、歴史の教科書で見たタージマハルを見たい、ガンジス河を眺めてみたい、と思ってインドへ行き。

ユーラシア大陸の西の果てに行ってみようと思い、ヨーロッパ周遊をし。

先住民族の村に行くべくメキシコへ行き。

ウユニ塩湖を見に南米へ行って。

楽しい思い出が沢山あるだけじゃなく、恐い思いをしたこともあるし、、辛くて泣いたこともある。
高山病で吐いて鼻血を出したこともある。w

そのすべてが私にとっては貴重な宝物。

30歳すぎて・・・

今、旅の仕方はその時それぞれで、臨機応変になった。
前回2016年の旅の前の数年の間、近場にはよく行ってたけど、それはバックパッカーではなく、スーツケースを引いてシャングリラに泊まる、そんな旅だった。
それもそれで楽しい。

一方で、やはりバックパッカーも楽しい。
お金の問題ではなく、地元の人に混ざって同じものを食べ、同じ手段で移動するこのスタイルで旅をすることが、一番その国の「リアル」を見られる気がするから。
その国の人たちと近い距離で接することで、肌で感じられる気がするから。
そして、沢山の人に出会えるから。
まぁあくまで「通過する」人であり「外国人」だから、
そんな気がするだけかもしれないけれど。

バックパッカーは、日本人も欧米人も往々にして、私なんぞは恐縮するくらい高学歴だったり頭のいい人間が多い。
最低限の英語を話し、メジャーな観光地以外に興味を持ち、自分で全て手配をして自分で責任を取りながら、自分で判断をして実際に行く、そういうことが必要なわけだから、考えてみれば頷ける。
彼らと会い、話をすることもまた、私にとっては楽しみの一つなのである。

今後は?

行ってみたい国はまだまだ沢山ある。
かつて「行こうと思った国」や「計画を立てた国」もいっぱいある。
その時の情勢、自分の状況、そして縁あって選んだ場所に、これからも旅をしていくと思う。

ただ最近、自分が年をとってきたことを実感し、少し残念に思ったりする。
もちろんまだまだ若いと思う一方で、20㎏近いバックパックを背負い、炎天下の中歩くことや、毎日ドミトリーに泊まることがきつくなってきた。

だからもしかしたら、長期でバックパッカーをするのは、今回が最後かもしれない。
そんな気もしてるけれど、そう言えば前回、2年前も同じようなことを言ってたような、気がしたりしなかったり・・・・・・w