Moldova 2 : 謎の非承認国家、沿ドニエストル共和国へ潜入
- 2018.11.04
- Moldova
沿ドニエストル共和国・・・・???
見どころもなく、やることのないモルドバ。w
そんなモルドバで行こうと決めていた場所の一つが「沿ドニエストル共和国」。
この国、実はお恥ずかしながら今回モルドバに行くと決めてから初めて知った国だったりする・・・。
Wikipediaによると、
国際的にはモルドバ共和国の一部(自治権を持った構成体とする場合もある)と見なされており、主権国家として承認されていないが、現在、モルドバ共和国政府の実効統治は及んでおらず、事実上の独立状態にある。 (続きはコチラから)
なんだかおもしろそうじゃん。
この沿ドニエストル共和国の首都がチラスポリ(ティラスポリ)という街で、チラスポリへはキシナウからバスが頻発している。
所要は1時間くらいだというし、これは行っておかねば!!
キシナウからチラスポリへ
チラスポリへのバスは、キシナウ中心部のバスターミナルからバスに乗る。
バスターミナルへは歩いても行ける距離だけれど、トラムもあるというので乗車、2MDL。
あっという間に最寄りのバス停に到着し、歩き始めると・・・周りは市場になっており、とても賑やかだった。
雰囲気がジョージアのトビリシに似てる気がする。
ジョージアも旧ソビエトの国だし、モルドバと同じく貧しいし・・・似てるって思うのは間違いじゃないのかもしれない。
バスや人の間を縫ってターミナルの中へ入り、チラスポリへの切符を購入。お値段36.5MDL(240円)。
お姉さんに「あっち」と指さされた方へ出ると、
「チラスポリ―、チラスポリ―」
と連呼してるオヤジがいたので、切符を見せてバスへ乗り込んだ。
頻発してるバスだけれど(30分に1本くらい)、それでもなかなか人が多かった。
相変わらず晴れ間の見えない濃霧の中をバスは走り・・・1時間半でモルドバ―沿ドニエストルの国境に到着。
国境の建物に入り列に並んでパスポートを提出すると、冷たく怖い係員が聞く。
「何日滞在するの?」
「今日だけ。夜までにはまたキシナウへ戻ります。」
そしてレシートのような紙とパスポートを返された。スタンプは無し。
レシートには入国日や出国日の記載、さらにキリル文字で自分の名前が書いてあった。(なので急に予定を変えるのは止めた方がいいかも)
Ihoccoは「ИХОЦЦО」。
ウクライナ、モルドバ、かつて行ったカザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、そしてロシア。
流石にこれだけ旧ソビエトの国に行ってると、ロシア語を話せないとはいえキリル文字を読むことくらいはできるようになったけれど、それでもキリル文字になった自分の名前を見るのは初めてで、なんだか新鮮でちょっと嬉しい。
意外に時間がかかり、結果キシナウを出てから計2時間でチラスポリに到着。
バスターミナルは駅前。
ちなみに、チラスポリからキシナウへのバス(マルシュルートカ)もこの駅前から頻発している。
切符は直接マルシュで買うことは出来ず、駅舎向かって左端のちょうどグーグルマップの位置に切符売り場があるのでその窓口で購入する。
お値段は43.15PRB(約300円)だった。
さらに帰りは国境でマルシュを降りることなく、パスポートを見せるのみで終了した。
観光案内所と沿ドニエストル・ルーブル両替
駅前からフラフラ歩き始める。
閑散とした街・・・もともと人が少ないのか日曜だからなのかは謎だけれど、人が少なく、街は静まり返っていた。
レーニン通りを歩き、公園で遊ぶ親子や教会を眺めつつ。
公園を過ぎると・・・・
観光案内所発見!
(Google mapだと表示がないけれど、maps.meには出てきます)
残念ながら日曜で閉まっていたので、詳細は不明。
興味あったのに・・・残念。
大通りを歩き始めると両替所があったので両替をすることに。
ドル、ユーロ、モルドバ・レイ・・・どうしようかな~と考えて財布を見ると、ウクライナ・フリブニャがちょうど千数百円分あったのでそれを両替した。
沿ドニエストル共和国のお金である沿ドニエストル・ルーブルは、紙幣が小さくまるでおもちゃみたいだと思った。
子供の頃遊んだ「こども銀行券」みたい。w
それでも沿ドニエストルの中ではこのお金が流通していて、スーパーも、レストランも、バスの切符も・・・お会計は全てこのルーブル。
ちゃんと「国家」なんだね。
ちなみに2018年11月のレートはこんな感じ。
1USDを113円で計算すると、1ドニエストル・ルーブル(PRB)=約6.9円の計算。
街中には銀行もありATMもあったけれど、ATMは使ってないので・・・沿ドニエストル・ルーブルが出てくるのかは不明・・・。
ちなみに、沿ドニエストル・ルーブルは沿ドニエストルの中でしか使えないし両替も出来ないので、「使う分だけ」の両替をオススメします。
私は最後に駅前のキオスクでタバコを買って使い切りました。w
チラスポリの街をのんびり歩く
幸いなことに少し太陽が出てきて明るくなった街を西へ歩く。
こういうマンションを見ると、旧ソビエトの国だな~と思う。
この古い車もかわいらしい。
ロシア正教会があったり・・・
公園を通ると、猫を連れたおばあちゃんが。
公園の正面にあったSuvorov像
ところでSuvorovさんって・・・どなた?
像の脇にはチラスポリ(Tiraspol)のモニュメント。
更に西へ歩くと・・・
レーニン像と連邦政府庁舎
レーニン像がこうして残ってるって、実はそんなに多くなかったりする。
ソビエト崩壊の際に、社会主義の象徴として壊されてしまったから。
そろそろ中心部へ引き返そうか。
今度はドニエストル川に沿って歩く。
モルドバ・沿ドニエストル共和国戦争のモニュメント
戦車と教会も!
アイラブ・チラスポリ
無駄に広い道をみると、ソビエトだな~と思う。
水色の建物が素敵!!
遅めのランチ。ウォッカでほろ酔い
考えてみればお昼ごはんがまだだった。
人少なな街を歩き、ランチも過ぎ、ディナーには早い時間に勝手に「ランチ兼ディナー」を決め込んで入ったレストランがコチラ。
Kumanek Restaurant
お店のお姉さんは親切だし英語通じるし、おまけにWiFiもあり。
サービスで出してくれたサーロとウォッカ、注文したビール
(サーロは豚の脂身の塩漬け)
ジョージアのハドリジャーニを思い出し、思わず頼んでしまった茄子のサラダ
メレンゲでフワフワな豚肉。中にはキノコのソテー
お会計は2品とビールで127PRB、855円。
美味しかったー!
ウォッカでいい感じにほろ酔いだし、日が暮れて暗くなる前に!ってことでチラスポリ散策はこれで終わり。
また駅へ歩いてバスに乗り、キシナウへ戻った。
未知の国の未知の街、チラスポリ。
当たり前だけれど市場がありスーパーがあり、教会に映画館にレストラン、カフェがあって・・・・そこに暮らす人たちの穏やかで静かな暮らしがあった。
貧しくはあるけれど慎ましく、一方で食は豊かで、魅力的な場所だった。
「非承認国家」なんて聞くと、ちょっと怪しい感じがするし、治安は?大丈夫?安全なの?なんて言われてしまうのだけれど、実はむしろ安全だったりする。
だって彼らは独立したいわけで、つまり外国人と問題なんて起こしたくなく、文明的で安全で倫理的な場所・人なんだってアピールしたいから・・・という話を、何かで読んだことがある。
(沿ドニエストルの話ではなく、他の非承認国家の話だけど。)
沿ドニエストルがどうなのかはわからないけれど、少なくとも私が歩いた限りでは安全で、時間がゆっくり流れ、素朴な街だった。
見どころは無いけれど。w
ホテルもあるので、時間があれば1泊、2泊でのんびり・・・ってのも良いかもしれない。
ちなみに夏場はドニエストル川ほとりで水遊びができるらしい。
あまり綺麗な川には見えなかったけれど・・・・・w
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