Cuba 11 : キューバで思うあれこれ

今回のキューバ滞在は10日。
正直時間が足らなかったと思う一方で、もっと時間があってもっと長くここにいたら、私はもっとあれこれ考えてモヤモヤして、消化不良を起こしてたんじゃないだろうかとも思ったりする。

私の頭では考えても考えてもわからなくて、むしろ思考はますます迷宮に入り込んでしまうから。

人種差別のない国、キューバ

地球の歩き方に「キューバは人種差別がほとんど無い国」というようなことが書いてあった。
実際にキューバに行って、キューバで過ごして・・・「確かに!!」と肌で実感した。

 

アフリカでも「嫌な空気」やアジア人や中国人への差別や悪意を感じだけれど、キューバではそういうものが無かった。
無遠慮な視線に晒されることもなく、「フツウ」に「同じ」として過ごすことが出来た。これってすごいこと。
キューバには白い人も黒い人もいるけれど、職業やお付き合い、エリアのすみ分けやグループもなかった。
(あくまで短期の滞在でスペイン語もわからない私が表面的に見ただけの判断なので、本当のところはわからないけれど。)

どうして?
社会主義国だから?
キューバにはスペイン系、アフリカ系、混血・・・いろいろな人がいるから?でも色々な人がいるのはどの国も同じだよね?
気候が暖かで、人も穏やかだから?

 

日本は、自分たちが思ってる以上に差別が溢れてる。
日本人は無自覚な差別主義者がとても多いと私は思っている。
東京で暮らしていて、お店のスタッフさんが中国人や東南アジアの人だとすごく嫌な顔をする人がいっぱいいるのを実際に目にするし、欧米人だったら許すのにアジア人だったら許さず批判する人も多い。

なんで???

 

私はそういうものに遭遇する度に気持ちが暗くなり気分が悪くなる。
私だって聖人君子じゃないから。そういう気持ちを持つことはあるけれど。でもその度に「ダメだダメだ」って思うし、気を付けなきゃって戒めてるけれど・・・

周りを見回してると「気づいてない」人が多いように思えて仕方ない。

 

キューバのように、意識せず当たり前として差別が無い国になったらいいのにと思う。
キューバを見習わねば。

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貧しいからお金を要求するということ。

これまでのキューバ編で、概ねキューバに好意的なことしか書いてこなかったけれど、実は「え・・・。それ、どうなの?」と思うことがある。

それは

自分達は貧乏だとアピールすること
外国人からお金をもらおうとすること
チップを要求すること

確かにキューバの人口1人当たりのGDPも、平均月収も、日本よりはるかに低い。キューバという国自体、日本よりはるかに貧しいのも事実。

けれど私たちの“社会の仕組み”は違う。
日本はキューバの様に医療費や教育費はタダじゃないし、配給もない。最低限の食事もお米も、生活必需品も全て稼いだお金で買わなくてはならない。生活の最低限は保障されてない。
そしてキューバのように、昼から家の外やバルコニーで何もせずのんびりしてる人はほとんどいない。
働き方だって違う。もっと求められるし拘束される。

 

旅をしてるんだから、その旅をするだけ“余分”なお金があるのだけれど、それでも「キューバに住む自分たちは貧乏で、外国人の君はお金がある。だから金くれ」っていうのは違う気がするんだ・・・・。
ビアスールのバスに乗る時に荷物を預けただけで「1CUCよこせ」っていうのはおかしい気がするんだ・・・。バスは、荷物を預けるというサービスまで含めたバスだもん。おまけにビアスールは高いんだから。
日本は、どれだけ細やかなサービスをしても、おもてなしをしても、チップは無いんだよ。

頑張って働いても社会主義である以上、(それが副業であっても)政府に持って行かれる分が多いのもわかってる。(ちなみにカサも政府に収めるお金はかなり多いらしい。だからできるだけ朝食を食べるようにしてた。朝食で利益を出してるって聞いたから。)
好き好んで社会主義国に生まれたわけじゃないのもわかってる。

それでも、それでも・・・
貧しいと言われる度チップを要求される度、私はモヤモヤしてしまうし、そのモヤモヤはどうにも出来なかった。
アフリカでも散々モヤモヤし悩んだけれど、キューバは「社会主義」という前提がある分、余計にモヤモヤしてしまった・・・・。

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物事を考える時の中立。それでもアメリカが好きですか?

キューバに行ってキューバの歴史をもう一度(とても簡単にではあるけれど)読んでみた。

 

葉巻や砂糖、果物などなど宗主国スペインに良いように使われていたキューバ。
ホセ・マルティたちが独立戦争をし、なんとかそこから抜け出したけれど、今度はアメリカに支配された。キューバの独立は形式的なものだった。チキータ、ハーシーなどの多くのアメリカ企業はキューバに工場を作り、キューバから搾取し続けた。
またキューバ国内が不安定だったこともあり、アメリカ軍が度々介入していたし、また社会主義勢力が台頭し始めるとアメリカは危機感を感じ反革命勢力と結託した。
クーデターでバチスタが政権を奪い返し独裁政治を始め・・・バチスタ政権はアメリカとベッタリで、アメリカの言いなり。キューバの富は全てアメリカに持って行かれた。

やっとスペイン植民地から抜け出したはずなのに、今度はアメリカの植民地になっていた。キューバの国民は貧しいままで・・・というかもっと貧しくなっていた。

そしてキューバ革命が起こる。カストロ議長やゲバラが立ち上がり、バチスタ政権を倒しキューバは独立する。アメリカ企業に握られていた土地や産業を国有化し社会主義国を作った。
怒ったアメリカはカストロ議長やゲバラを何度も暗殺をしようとする。
また時代は米露冷戦の時代。アメリカの敵となったキューバはソ連と外交を結びアメリカとは決定的に敵国になった。
アメリカのヒッグス湾への侵攻も失敗に終わり、アメリカは経済封鎖を行った。
その後キューバ危機が起こり、更に両国の関係は悪化する・・・。

 

その後のソ連崩壊でキューバは貧しくなっていくわけだけれど、今回はここまで。

 

独立国になったのに、アメリカに持っていかれるってなんなんだろう。というか、他国から平気で富や資源を持ち去るってなんなんだ。

さらに言えば。

その富や資源をアメリカに搾取されていたのはキューバだけでなく、中南米のほとんどの国に言えること。
結局、ヨーロッパの国々がアフリカを植民地にして搾取してたのと同じことをアメリカは中南米でやっている。(過去形でなく現在進行形)
つまり、乱暴な言い方をしてしまえば中南米の治安の悪さも貧しさも不安定さも、アメリカが作り出したもの。

それでいて反発したら怒り、アメリカへ逃げようとすれば拒否し、彼らの伝統を嫌がり、自分たちの都合で振り回し・・・
一体なんなんだろう。

そんなに偉い?
そんなに正しい?

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日本は・・・私たちは戦後からアメリカ寄りの教育を受け洗脳をされてる。教育とは洗脳だから。
アメリカを憎まないよう、好きになるよう教育されてる。

本当にそれでいいのかな?
アメリカは本当に正しいの?
アメリカはそれに値してる?

物事は、どっちかに寄らず中立に自分の目で見なきゃ。
そのうえで好きか嫌いかになるものじゃない?

アメリカに2度も原爆を落とされていながら、原爆という兵器の実験に使われ、放射能の人体実験をされながら。
それでもアメリカが好きですか?

 

私は、今まで「アメリカ嫌い」とずっと思ってたけれど、それもまだまだだったと思った。
今回本当に洗脳が溶けた気がしてる。
今までより中立に見られるようになってきた気がしてる。

 

ついでに。

ヨーロッパやアメリカのみならず、ロシアだってそして日本だって他国を支配しようとしてた。
日本の場合、結果的に出遅れたためにアメリカやヨーロッパの国ほどに至らなかったし、日本は「アジアをヨーロッパから解放する」なんていうキレイ事の大義名分を掲げてたけれど、それでも台湾や朝鮮半島、満州を植民地にして現地でひどいことをしていた。
そして今、力をつけてきた中国はアジアやアフリカの貧しい国々で同じことをしようとしてる。

 

結局、世界は大国に支配され、大国に動かされ、大国に搾取されている。

私にできることなんて何もない気がしてしまうけれど、それでも知ることと考えることが私にできる唯一のことだと思ってる。
だから私はもっと勉強したいし、もっと色々なものを見たいと思う。

 

あまり考えると苦しくなるので、今回のキューバは10日で良かったんじゃないかと今は思ってる。

けどキューバは絶対にまた行きたい。
その時は、今よりもっとキューバのことを勉強していきたいし、スペイン語が話せるようになって、キューバの人達に色々聞いてみたいと思う。

 

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