マラリアと高山病について。
- 2018.08.01
- Travel tips
今回の旅に出るにあたり、もちろんアレコレ心配や不安はあるのだけど・・・その懸案事項のうちの一つがマラリア。というか東南アジアや中米・南米に行きながら、これまで気にしてこなかったのも変な話だけど。w
折角の機会なのでマラリアについて調べてみました。
マラリアってどんな病気?
戦略を立てるには、まず敵を知ることから。こういう時は専門家にお任せ!
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、2013年12月に公表された統計によると、1年間に約2億700万人が感染し、推計62万7,000人が死亡しています。日本でも100人近くが輸入感染で発症しています。
1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。マラリアには4種類(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア)あります。その中でも、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。
脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられます。
死に至る病気・・・・。
やだーー!!マラリアで死にたくないぃぃぃい!!!!
ここでもう少し症状について詳しく。
マラリアを発症すると、40度近くの激しい高熱に襲われるが、比較的短時間で熱は下がる。
しかし、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱に襲われることになる(つまり発熱と発熱の間が二日あるいは三日空く格好となり、三日目、四日目に次の発熱が起きる。これが三日熱、四日熱と呼ばれる所以である)。卵形マラリアは三日熱マラリアとほぼ同じで50時間おきに発熱する。
熱帯熱マラリアの場合には周期性は薄い。熱帯熱マラリア以外で見られる周期性は原虫が赤血球内で発育する時間が関係しており、たとえば三日熱マラリアでは48時間ごとに原虫が血中に出るときに赤血球を破壊するため、それと同時に発熱が起こる。熱帯熱マラリアに周期性がないのは赤血球内での発育の同調性が良くないためである。
いずれの場合も、一旦熱が下がることから油断しやすいが、すぐに治療を始めないとどんどん重篤な状態に陥ってしまう。一般的には、3度目の高熱を発症した時には大変危険な状態にあるといわれている。
能天気な私でも、さすがに怖くなってきました・・・。
マラリアに感染する可能性のある場所
ところで、一体「どこ」に行ったらマラリアに感染するのでしょうか。
何年か前に日本国内でデング熱感染が確認されて大騒ぎしたのは記憶に新しいですが、日本でマラリアって聞いたことないよね?(ちなみにデング熱はネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介します。)
マラリアに感染する可能性がある地域は以下の通り。(出典:厚生労働省検疫所HP)
アフリカ真っ赤なんですけどーーー!!っていうか東南アジアもインドも真っ赤じゃん!!
でも、一言でアフリカと言ってもエジプトやチュニジア、モロッコなどのきたアフリカは大丈夫なんですね。
マラリアを防ぐには?
では死なない為にはどうしたらいいのか・・・
なによりも蚊に刺されないことが一番の防御策です。蚊に刺されないようにするには、
・長袖、長ズボンの着用(もちろん寝る時のパジャマも)
・黒より白い服を着る(ハマダラカは白がお好きでない様です)
・夕暮れ~明け方の外出は控える
・蚊帳、蚊取り線香の使用
・虫よけスプレーの使用
ここでDEET高濃度の虫よけスプレーが活躍します。
もちろん海外でも買えるので、DEETの濃度をしっかり確認してくださいね。
ところで、黄熱病の予防接種の話を書きましたが・・・
マラリアと同じく「蚊」が媒介する黄熱病や日本脳炎はワクチンで防げますが、マラリアは防げないのでしょうか。
2018年現在、製薬会社が頑張って開発していますが残念ながらマラリアのワクチンは実用化に至っていないようです。
でもねでもね。薬はあるんですよ!予防薬もあるし治療薬もある!
日本国内で承認されているマラリア予防薬はメファキン錠 (メフロキン塩酸塩錠)やマラロン配合錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩配合錠)、アルテメテル・ルメファントリン(リアメット配合錠)など。これらは渡航外来などの病院で処方可能です。(行ってないのでわかりませんが、おそらくかなりお高いと思います。)
また海外へ行けば上記のメフロキンやドキシサイクリン(ビブラマイシン、日本では予防薬としては未認可)が薬局で購入可能です。
でも問題がありまして・・・・これらのお薬、副作用のリスクが高いのです・・・。
各薬の飲み方と副作用は以下の通り。
マラリア予防薬
メフロキン:JICAで支給されてる予防薬はコレ。
週1回1錠(250㎎)を感染するリスク期間の1週間前から4週間後まで服用。
副作用はめまい、平衡感覚障害、吐き気、胃痛、鬱、攻撃性、脳障害、不眠、頭痛などなど・・・
中には気分の落ち込みから自殺した例まで報告されてるとか!!
マラリアで死なない為の薬なのに副作用から自殺なんてシャレにならんし・・・。自殺したら保険も下りないよ・・・。(←え?)
ドキシサイクリン:
1日1錠(100 mg)を、感染するリスク期間の1-2日前から4週間後まで毎日服用。
副作用として、光線過敏症、下痢症、吐き気、カンジダ膣炎など。
これの方がまだマシかもしれないけど、それでも・・・日差しが強いし光線過敏症になったら外に出られないし、毎日吐き気があったらご飯が食べられない!食は楽しみなのにーーー。
またクロロキンという薬もありますが、アフリカではクロロキン耐性を持った蚊が多いらしいので注意!逆に東南アジアではメフロキン耐性を持った蚊が多いという情報もあります。
さらに予防薬は最大でも3か月までしか服用できません。長期滞在をされる方はリスクが高いエリアに行く時に飲むなど、工夫が必要です。
マラリア治療薬
不運にも、もしマラリアに罹ってしまった場合は大至急病院へ行くのが一番ですが、近くに病院がない時は「マラリア治療薬」があります。取り急ぎこれを飲んで、出来るだけ早く病院へ!!
メフロキン:予防薬のみならず治療薬としても使用可能。
服用は、体重60㎏未満の場合1回目3錠、その6-8時間後に3錠。60㎏以上の場合はさらに6-8時間後に1錠。
副作用が厳しいですけどね・・・死ぬよりはマシかと。
コアルテム:JICAで支給、WHO推奨の薬がコレ
服用はちょっと複雑。初回4錠、その8時間後に4錠。2日目と3日目の朝晩にそれぞれ4錠で合計24錠。
24錠1セットで売ってるらしいですが、念のため買う時によく見て、お店の人にも確認を!
普段の蚊対策、予防薬、治療薬いずれにも言えることですが、現地の方と私たち日本人は「免疫」に差があるので気を付けてください。
私なりの結論
長生きはしたくないし、いつ死んでもいいと思ってる私ではありますが。w 蚊に刺されて死ぬのはイヤだ!!!
私なりに色々調べ、出した結論は・・・
出来る限り蚊に刺されないよう防御をすること、そして万一の為に早いうちにコアルテムを現地で購入しておくこと。
以上です。
予防薬の強烈な副作用はマジで勘弁なので遠慮します。
あくまで私なりの結論です。
これからマラリアに感染する可能性のあるエリアに行かれる方、しっかり調べて自分で考え自分で判断してください。世に蔓延する「自己責任論」はあまり好きではありませんが、判断と結果は自己責任です。
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